白髪染めの裏側で起きていること、知っていますか?


今日は、カラー剤に含まれる、おしゃれ染めも白髪染めも白髪ぼかしも含まれる
「過酸化水素水」について語ってみよう。

1️⃣ はじめに

美容師として25年以上、毎日たくさんの髪に触れてきました。
その中で、ずっと向き合ってきたテーマのひとつが「白髪と薬剤の関係」。

今日はその中でも、多くの方が知らないけれど**すべてのカラーに関わる重要な成分「過酸化水素水」**について少し語ってみたいと思います^^


2️⃣ 過酸化水素水って、そもそも何?

名前だけ聞くと「なんだか怖そう」と思われがちですが、
実はこの過酸化水素水、色を作るために欠かせない存在なんです。

カラー剤の2剤として使われていて、
髪の中でメラニンを分解したり、染料を酸化させて色を定着させるという大切な役割を担っています。

つまり、過酸化水素がなければ「染まらない」。
でも同時に、この成分が**“酸化ダメージ”の始まりでもある**んです。


3️⃣ 酸化ダメージとは?

酸化とは、簡単に言うと「サビること」。
鉄が錆びるように、髪や頭皮も酸化すると老化が進みます。

過酸化水素水はカラーの過程で髪の内部に入り込み、
色を発色させた後も少しだけ髪の中に残留します。

これが時間とともに空気や紫外線に反応し、
タンパク質を酸化させ、髪を硬く・パサつかせていく。

僕がよくお客様にお伝えする例えがあります。
それは――

「白髪染めを繰り返すことは、髪に少しずつ“サビ”を重ねていくようなものなんです。」

しかもしかも

放っておくと蓄積し、お肌の痒みの原因にもなってしまいます。


4️⃣ 年齢のせいではなく、“酸化”のせい

多くの方が「年齢のせいでツヤがなくなった」と思っています。
でも、僕は何百人もの髪を見てきて確信しています。

髪のツヤを失う最大の原因は年齢ではなく、酸化→乾燥→ダメージ→うねり→シワです。
過酸化水素が残ったままの状態を繰り返すことで、
髪の内部が硬く、乾いた質感に変わっていくんです。

だからBeautifulでは、
“白髪染めをする”=“酸化を起こす”という考えを根本から変えました。


5️⃣ 僕たちがやっていること

カラーの前と後に使うケアがとても大切です。
この2つの工程で、残留した過酸化水素を中和・除去します。

酸化の反対にあるケアを使い。
つまり“還元”の力で、髪と頭皮のサビを取り除く。

初めて施術を受けたお客様が、

「染めたのに、髪が柔らかくなってる」
と言われるのはそのためです。

過酸化水素を“敵”ではなく、
正しく扱い、きちんと無害化すること。
それが、本当の意味での“白髪改善カラー”なんです。


6️⃣ これが僕の想い

白髪染めは悪くない。
でも、「仕組みを知らずに続けること」は髪にとってリスクになります。

だから僕は、お客様にただ“キレイに染まる”だけでなく、
“どうすれば髪が長く美しくいられるか”を必ず伝えたいと思っています。

美容師って、“染める人”ではなく、
“髪の未来を守る人”でありたい。
そんな想いで、僕は今日も薬剤と向き合っています。


7️⃣ おわりに

過酸化水素水は、良くも悪くも「カラーの鍵を握る成分」です。
正しく使えば美しく発色し、間違えればダメージの原因になる。

だからこそ、
**「染めるたびに美しくなる白髪染め」**という仕組みを、
これからも一人でも多くの人に届けていきたい。

そのために僕たちは、日々学び、改良し、
“酸化しない未来のカラー”を追求しています。


次回は、「ケアで“酸化した髪”をどう蘇らせるか」についてお話しします。
白髪とエイジングの本当の関係、少し深掘りしていきましょう。

ご予約はこちら

この記事を書いた人

尾下 敏広

尾下 敏広

副社長

美容師歴20年以上。サロンワークに加えて、メーカーでの薬剤開発や教育にも携わる白髪予防カラーのスペシャリスト。資生堂SABFA卒業後は、コレクションやコンテストでも実績を重ね、全国の美容師への講師活動も行う。ブログでは「今ある髪を美しく保つ」ための技術と知識を発信しています。

髪のお悩み、
プロにご相談ください

当サロンでは、お客様一人ひとりの髪質や髪の状態に合わせた最適なケアをご提案しています。

いますぐ予約する
ご予約は
こちら